子どもにとって良い環境とは

子どもにとって良い環境を提供ってなんなんだろうかと考えることがあります。

よく幼稚園や学校を選ぶ理由として「環境が良い」ことを挙げる人がいますが、本当に子どもにとっての良い環境って何かというのは、とても難しい問題で、とても私には判断ができません。

うちの上の娘は、0歳から3歳まで私立の保育園に通い、その後は過疎地の公立保育園に通いました。スタッフの体制、年間行事など全く違う感じでした。

一般的な言い方で言えば、前者はとても環境の良い保育園で、後者はとても環境の悪い保育園です。でも、私自身は、どちらも良いところも悪いところも有り、一概には言えないと思っています。

保育園を変更したのは、子どものために環境を変えようという意図ではなく、単に親の仕事の都合です。

理想的な学校(環境)というのは、大人がある程度作ることができます。でも、子どもにとって理想的な環境で育つことが本当によいのかは、わかりません。

なぜかというと、子どもたちが将来飛び込む現代社会は理想的な環境ではないからです。

職場でも地域でも、いろいろな考えを持った人がいて、いじめだったり、足の引っ張り合いだったり、理不尽なこともたくさんあります。それがなくなるのが理想ですが、きっとなくなりません。そもそも価値観の違う人間の集まりなのだから、全員が満足するような状況にはなりません。

その中で、いかに工夫して楽しく仕事や生活をし、また、その中で最高の選択をして、向上してゆけるかが、豊かで充実した人生を送るには重要だと思います。いじめなど理不尽なことも、うまいこと回避したりやり過ごす術を身につけ、酷い状況の中でも小さな楽しみを見つけて楽しむ。本当に酷い状況であればそこから脱出する方法を考え、挑戦する勇気を持つためには、子どもの頃から少しずつ練習してないと行けないと思います。

所謂環境の良い幼稚園、保育園、学校というのは、汚い現代社会でうまく生きる練習をする機会が少ないかもしれません。

人生の満足度の低い人の多くは、自分の状況や出来事を、自分外のもののせいにする人が多いです。

環境が悪い、世間が悪い、景気が悪い、相手が悪い、だから私はこんな状況になった。。。というように。

子どもの頃から「良い環境は親が用意してくれるもの」として育った子が、大人になり、良い環境ではないことを自分の努力や工夫が足りないとは考えなくなり、人生の満足度を下げるとしたら残念です。

子どもにとって「良い環境」とは、「良くない環境」なのかもしれないとも言えます。もちろん、親として子どもがいじめられたり、悲しい思いや、苦しい思いをしそうな環境に放り込むのは、ものすごくしっかりした信念と勇気が必要です。

親が不安を解消するために、とりあえず評判の良い学校に入れておく、評判の良い塾に入れておく、それも親の精神安定のためには悪いことではないと思いますが、あくまでも親の自己満足の為であることを認識しておく必要があると思います。

ちなみに、私は子どもに、あえて、良い環境を提供することも、厳しい環境を提供することもしているつもりはありません。あまり子どもに合わせすぎず、親の都合で引っ越したり、放課後教室に入れたりしてます。決められないから、なすがまま、です。あえて言えば、そういう状況を親子で受け入れています。

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