
日本でも最近は携帯電話がずいぶん普及しているそうだ。 しかし、オーストラリアの普及度の比では ないだろう。正確な調査結果を見たことはないがおそらく間違いない。
オーストラリアでは猫も杓子も携帯電話を持っている。電車の中、バスの中、レストラン、ゴルフ場、 釣り場、学校・・・どこへ行っても必ず誰かが携帯電話でしゃべっている。そういう私も携帯電話を持っ ている。なぜ、こんなにオーストラリアで携帯電話が普及しているのか?今回のレポートではその真相に 迫ってみる。
携帯電話がオーストラリアでこんなに普及している理由は移動体通信の歴史からある。
その昔、昔と言っても5年くらい前まで日本のセールスマンやその他外回りのビジネスマンの必須アイ テムとしてポケットベルというのがあった。「あった」という過去形は適切ではないかもしれない。日本 では今でもポケベルは現役で活躍している。
会社から社員に何か連絡がある時はポケットベルを鳴らす。ベルがなった社員は、公衆電話から会社に 電話を掛けて用件、指示を聞く。これによってセールスマンは効率よく客回りができるし、緊急の連絡な どもすぐに知らせることが出来るようになった。非常に画期的な道具だったのである。日本では急速に普 及しほとんどのセールスマンは腰に小さなポケットベルをつけていた。
一方、オーストラリアではポケットベルの時代はこなかった。技術的に遅れていてそういうすばらしい ものが作れなかったわけでもないし、技術的に進んでいて既に携帯電話が普及していたわけでもない。な ぜ、オーストラリアにポケットベルの時代が無かったのか?その答えは簡単である「公衆電話が少ない! !」のだ。せっかくポケベルが鳴っても、公衆電話を探しているうちに会社に着いてしまうのだ。そんな 状態ではポケットベルはあっても意味がない。だから普及しなかったのだ。そして、そのころから既に、 大きな会社はセールスマンに、巨大な携帯電話を持たせるようになっていった。そんなわけで、オーストラリアの携帯電話の普及は必要にかられて仕方なくスタートした。ちょうどそ のころ普及に拍車を掛けることが起きた。それまで1社しかなかった電信電話業界に新会社が参入したの だった。
日本のように規制だらけで、そのホンの隅で競争するなんてチンケなものではない。この二つの電話会 社の競争は、われわれ消費者をわくわくさせるほどの強烈な競争だったのである。ここでも「だった」と いうのは間違いである。現在でも思いきり真っ正面からぶつかりあって競争している。さらに現在は携帯 電話に関しては他社も参入してきて三つどもえのバトルロイヤルを繰り広げている。
とにかくこちらの競争というのはすごい。この2社の競争を「千秋楽の全勝の横綱同士の水入りありの 大一番」だどしたら、日本の電話会社の競争は「幼稚園児の指相撲」くらいだろう。TVコマーシャルだ けみてもよくわかる。昔日本でコーラのコマーシャルが問題になったがそんなケチなレベルではない。あ からさまに相手会社名をだし、自社の優れている点を主張し宣伝する。
コマーシャルだけではない。現在でもそうなのだが自分が契約している会社の相手の会社から、ひとつ きに1回は電話がかかってくる。「うちの方がこんなに安いから是非うちと契約してくれ、今契約し直し てくれたら、3ヶ月後に$120のクレジットをあげるから、是非・・・」という感じだ。
しかし、なんと言っても競争の第一は、料金の値下げ競争である。電話会社が2社になってからどんど ん電話料金は下がり、さらに電話機メーカーと提携して本体とセットで値は下がっていった。今では無数 のパターン(セット)がある。つまり、「この機種を買って基本料金いくらのコースだと全部でいくら」 とか「この機種を買ってこの基本料金で契約するとオフピーク時のローカルコールが2年間ただ」とか、 自分に最も適するものを選べばよい。また、それぞれが日本に比べて激安なのだ。今、最も安い携帯電話 機は、$39というのを先週広告でみた。日本円換算で3千円弱である。はっきり言ってリカちゃん電話 よりも安い!。そして、最も安い基本料金は一ヶ月$10である。一ヶ月700円で携帯電話がもてるの である。日本の会社のように「週末のみ使える」なんてケチなことはいわない。毎日使える。これだけの 値段ならまさに誰でももてる価格である。
通話料にしても、前述したオフピーク時の市内通話2年間無料というのをはじめ、日 本と比べると桁違いに安くなった。
これが携帯電話普及の第2のそして最大の理由である。怪我の功名で始まったオーストラリアの携帯電話の普及は、本来の資本主義の姿である市場競争によって 一気に加速し、現在にいたっている。もちろん、今もなお電話会社は競争を続けて機械、サービスとも値 下がりは続き普及率は高くなっている。
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